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鬱は女性の場合、生理不順、不妊症なども伴うケースが多い。肝経は生殖器ともつながっている。肝病治療法を体系化した古典としては、清代の医師王旭高が著した《西渓書屋夜話録》が有名です。《治肝三十法》とも呼ばれています。
王旭高氏曰く、「およそ雑証というものは大抵肝病である。雑証の中で、肝病は十のうち六、七を占める。」また曰く、「肝病は最も繁雑で、治療法は最も広範に渡る。」
漢方方剤学の創始者であり医聖とも言われる張仲景の著書《傷寒論雑病論》は、《傷寒論》と雑病部《金匱要略》に分けられますが、後者冒頭では『見肝之病,知肝伝脾』という記載があります。冒頭に述べるということは、それが一つの総括的な位置づけであると解釈することもできます。論語冒頭に『学而時習之,不亦説乎』と書かれているのは、孔子が日々弟子たちに口をすっぱくしてそう述べていたからでしょう。
1993年、傷寒論の権威でもある劉渡舟教授は《談談個人治療肝的体会》の一文において次のように言っています。
「清代の人、王旭高が著した《治肝三十法》(別名「西渓書屋夜話録」。略して「夜話録」)は、肝病の発生、進展及び辨証の規律について概括的に要約を行うことで、肝病を核心とする整合性のある完成された辨証論治体系を作り出し、これにより、肝病の辨証と治療について大きな前進の一歩を踏み出すことになった。」
《治肝三十法》について中国名老中医師による講義録〜
〜《西溪書屋夜話録-講用与発揮-》第一巻(本書日本語訳版では第一法から第四法までを収録)〜
本書の構成。まず総論の中医基礎理論(陰陽昇降と治肝に関する《黄帝内経》及び《難経》原文の講義)、次に各論の《治肝三十法》各法につき、1原文の講義、2主症(辨証要点)、3症例研究(葉天士、王旭高、程門雪、劉保和)、4応用と総括、以上の形式で編まれています。
これにより、理論と実践を結びつける実用的な漢方学習が可能となっています。 雑病十のうち六、七割を占める肝病用の漢方処方の要点を学ぶことができます。
通常、医者同士の競争が激しい大陸において、名老中医が各漢方方剤の*主症*を公開することはありません。それは「技の核心」だからです。それを公開すると所謂「食う飯に困る」。
漢方医学(中医学)を学ぶには、所謂「飯の種」を公開してしまっている超一流から学ぶのが一番の近道。 (劉和保老師が何故、これほどまで重要な*主症*の公開に踏み切ったのかといいますと、曰く「中医学術の発展のため。」 「論文とは書かざるをえない状況下で書くものだ。」)
劉老師は、本講義録を編んだ理由として、以下のような経緯を話してくれました。
「私がついて学んだ老師の中で、誰一人として*主症*を教えてくれたことはなかった。張仲景ですらそれを隠している。中国には昔からそういった秘密主義なところがある。論文とは書かざるをえない状況下で書くものだ。」
(中国の傷寒論の権威、北京中医薬大教授だった劉渡舟の第一期の生徒の一人が劉保和教授です。「*主症をつかむ*」これは劉渡舟が唱えていたことです。劉渡舟も*主症*を公開していなかったことがわかります。名医の妙技を慕って患者は集まる。患者を治すと信頼が高まる。すると賑わう。すなわち、主症を教えることは・・・言うまでもないことです)。
曰く、「師匠はうまいメシをある火加減でこっそりと作る。弟子には秘密にしたまま。」
名老中医は各漢方(中医)方剤の*主症*をつかんだ上で処方しています。*主症*から弁証(診断)を導いています。本講義録を通して、通常は師匠から直弟子へとしか伝えられない*主症*、つまり「名老中医の技の本質」をあなたは学び取ることができます(もちろん鍼灸の辨証にも応用可能です)。通常は中国に10年留学しても学ぶことはできない内容。名医の技の核心だからです(中国の中医薬大学の授業では、この主症が教えられないため、学生はといえば、通常、大学四年生になっても、簡単な方剤を処方できるくらいのレベルにしか到達できません。本場中国ですらそうなのに、公的な漢方教育制度が整えられていない日本では尚更のことです。従って、地に足をつけて漢方医学(中医学)を学習するには、*主症*を惜しみなく公開してくれる名師つまり優れた教師について学ぶのが必須といえます)。
名老中医の技の核心。
それを公開している本講義録(日本語版)は大変希少価値が高いものといえるでしょう(でなければ、書籍の洪水で溢れているこの現場でわざわざ翻訳などしないでしょう。大量の症例と主症が載せられていない、もしくは症例から主症が導けるよう編まれていない中医書籍など翻訳するにも読むに値しないと私は考えています。読むほうは自身の貴重な時間を使うのです。かけた時間に見合ったリターンを読み手に与えないのであれば、それは義に反します。本質を学んだ後すぐに実践として使えることが重要でしょう)。
全国名老中医伝承師範という名が冠されているのもそのためです(日本とは比べものにならないほど多くの漢方医つまり中医師がいる本場中国大陸全土の中で名老中医と認定されているのが劉保和老師です)。
100%返金保証
当書籍は一生物となります。読み込めば読み込むほど、新たな発見と知見をあなたにもたらしてくれることでしょう。諸葛亮はこう言っています。「夫軍無習練,百不当一,習而用之,一可当百。」《將苑・卷一・習練》
本書一冊は読み込むことで百の力ともなりうるのですから、100%返金保証もいたします。 そのくらいの自信がないのであれば、わざわざ骨の折れる翻訳作業はしないでしょう。
ただ初対面では11500という価格は少々高く感じていらっしゃるかもしれません(本来10万でも安い内容だと自負しています)。あなたは劉老師も私のことも知らなければ、本書の内容も知らない。返金保証をつけなければ不公平な取引となるでしょう。
本書があなたの手元に届き、読んだ後、期待に沿わない内容であれば、本書裏表紙に記載してあるメールまで、ご遠慮なく返品希望の旨、お知らせ下さい。お知らせいただいた口座まで、全額返金いたします。
*本書は理詰めの書です。精読する知的忍耐力を要します。その意味では冷やかしでのご購入はお断りいたします。 《黄帝内経》の理に沿った由緒正しい漢方医学の理論とその実践方法を学びたいという氣持ちが、あなたにあるのであれば、 本書はまさにうってつけ、あなたがずっと探していた書籍となることでしょう。その点も保証いたします。
本書講義録執筆者紹介
劉保和教授。1941年生まれ、河北医科大学教授、主任医師。第五期全国老中医専門家学術経験継承指導老師。中医学臨床実務に携わって50年。1962年河北中医学院本科を卒業、1980年全国第一期北京中医薬大学中医学修士課程卒。人体氣運動基本模式とは、「枢軸—輪周—輻網」が協調しながら運行する円運動であるという理論を提出。脈診と腹診に長け、方剤を運用するには「主症」をつかむ必要があると考える。
〜以下、本書P44より抜粋〜
『「主症をつかむ」ことの臨床における応用は、主に方剤の運用上に現れてくる。効果ある各方剤には一つから三つの主症が対応していなければならない。ところで、よく見かけることだが、方剤学の教科書には一つの方剤につき主治部分に少なくとも四五個の症状、多い場合は七八個、更には十個以上の症状が羅列されている。よくこの方剤とあの方剤は主治症状が同じであるため、そのことが医師に臨床上で、各方剤を区別して使用することを困難にさせ、そのため、期待する治療効果が得られないという問題である。しかしながら、各方剤の本質となっている主症を見極め、その本質に基づいて区別すれば、各方剤間で重複している多数の派生的な主治症状も理解することができる。筆者の「主症をつかむ」経験については、《夜話録》講義の中でお話しする。』
目下、癌治療の研究に重点的に携わり、一般的な所謂「抗癌」の中医薬は使用せず、張仲景《金匱要略》における『大氣一轉,其氣乃散』理論のもと、氣の円運動を周す陰陽昇降の方法を採用。各種、中、末期癌に対して、中医薬のみの使用で良好な効果を得ている。
以下、本書講義録サンプル(PDFファイル)をご覧いただけます。
中医学及び陰陽五行の定義: https://china.sakura.ne.jp/tcm-definition.pdf
訳者(劉保和教授の日本人直弟子)による本書解説(および中医雑談など)は訳者ブログをご覧ください。
https://china.sakura.ne.jp/wordpress/